2008年04月10日

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 電話の向こうで君が時々泣いてること、知ってるんだ。
 ちょっと待って猫が、と言った声の端が、かすれて震えてる。
 会いたいと思う時に会えないのは不便ね。寂しくつぶやく君の気持ちはわかるよ。
 でも例えばこんな時。
 車窓の町並みが記憶と重なって、君に近づいてる時。
 浮かれる胸を押さえている時。
 改札を出た僕を一番に見つけてほころぶ君の顔が見えた時。
 僕たちを隔てる憎らしいこの距離も、そう悪いものでもないかもしれない、なんて思うんだ。
posted by ぺこ at 08:09| メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月02日

きょうだい

 すぐそこにある手をどうやって握ったら良いのかわからなかった。
 兄さん、と呼んだことなど一度もない。
 私たちは出会ったときのことを鮮明に覚えている。
 私たちは、他人から始まった「きょうだい」だ。
 いつも一定の距離を保って、不自然ではない「きょうだい」であろうとした。
 意識的に。

 だから、手のつなぎかたがわからない。

 小さな子供でもないのに、「きょうだい」が手をつなぐのは不自然に見えはしないか。
 それとも「きょうだい」なのだから手をつなぐのは当たり前なのか。

 でも私たちは自覚している。
 仲良しだから手をつなぎたいんじゃない。
 私たちはただ、互いに触れたいだけなのだ。

 触れてしまえば最後なのも、私たちはよくわかっている。
posted by ぺこ at 00:43| メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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